これからプログラミングを学ぶ初心者に向けて、javascriptはおすすめの選択肢となるプログラミング言語です。プログラミング言語の人気ランキングでも上位に入り、Webをはじめとした各種の現場でjavascriptのスキルをもったエンジニアには高い需要があります。
本記事では、javasciptの概要、メリットや初心者が学ぶ際のポイントについて紹介します。
javascript（ジャバスクリプト）はプログラミング言語の一つです。事前のコンパイルが不要なスクリプト言語に属しています。また、軽量プログラミング言語（LL言語）にもカテゴライズされます。
プログラミングパラダイム（考え方）としては手続き型、関数型、オブジェクト指向型の全てに対応しています。
1990年代にNetscapeNavigatorというブラウザ上で動作させるために登場し、その後、InternetExplorerなどの様々なブラウザに採用され普及してきました。現在では、言語の標準仕様はECMAScriptなどによって定められており、実装は各ブラウザによって行われています。
javascriptはもともとはWebブラウザ上で動作させる目的で作られています。Webの中でもフロントエンドと呼ばれるユーザーに見える部分を支える中核技術の一つです。
それに加えて、フロントエンドでの高い普及率から技術者が増加し、スマホアプリやサーバーサイドなどでも利用環境が整えられつつあります。javascriptはより広い範囲で活躍するプログラミング言語となってきているのです。
javascriptはプログラミング言語の中でも比較的学習・習得・活用がしやすい軽量プログラミング言語（LL言語、Light weight programming Language）の一つとされています。動的型付けを採用しているため、javaやc言語などよりは制約が緩く、初心者でも取りつきやすいプログラミング言語です。
javascriptはWebのクライアントサイドでは事実上の業界標準であり、ほぼすべてのブラウザによってサポートされています。ブラウザがあれば、OS（Windows、Linux、Mac、iOS、androidなど）、デバイス（PC、タブレット、スマホなど）を問わず稼働するマルチプラットフォームな点もjavascriptが普及した理由の一つです。
さらには、アプリケーションの開発を効率化するFW（フレームワーク）やライブラリが充実していることもjavascriptの大きな利点です。jQuery、Vue、React、Angler、Node.jsなど枚挙にいとまがありません。これらを活用することで、高い生産性や高度な表現力を実現することができます。
javascriptは名前が似ていることからjavaと混同されることが多々あります。しかし、両者はまったく別のプログラミング言語です。
確かに、汎用的プログラミング言語のjavaと記述が似ている（似ていた）ためjavascriptと名づけられたという経緯はあります。しかし、この2つの言語には互換性はなく、用途も違います。
javascriptの主な用途としては、下記が挙げられます。
javascriptの最も一般的な利用方法は、Webサイトのクライアントサイドスクリプトです。
Webの仕組みはクライアントサイドとサーバーサイドに分かれています。まずWebページを見たいクライアント（ユーザ）はネットワークを介して、Webサーバーへ情報を要求します（リクエスト）。これに対して、WebサーバーはWebページの情報を返信します（レスポンス）。このレスポンスのWebページの情報を受け取ったクライアントはブラウザで情報を目に見える形にして参照する、というのがWebページ表示までの一連の流れです。
ブラウザ上にWebページの情報を表示したタイミングやWebページを操作したタイミングで動作するプログラムがクライアントサイドスクリプトです。javascriptはこのクライアントサイドスクリプトとして広く活用されています。ブラウザ上での各種ボタンなどを操作した際のイベント処理、画面表示の変更、アニメーションなどがjavascriptを用いて実現可能です。
また、クライアントサイドの処理は元々Webでの通信とは切り離されていました。しかし、近年ではWebページ全体での通信とは別に、クライアントサイドの処理で非同期通信と呼ばれる通信を行うサイトが増えています。これにはjavascriptのajaxと呼ばれる技術を利用します。
javascriptはもともとクライアントサイドの処理用に開発されたプログラミング言語です。しかし、開発者が増え、ニーズが増加したことからサーバーサイドプログラム用の言語としても利用が可能となっています。
javascriptをサーバーサイド処理に利用する場合、Node.jsというjavascript実行環境を使います。Node.jsは大量アクセスに強い特長を持っており、アクセス集中が起こり得るWebサイトのサーバーサイド処理に利用される傾向があります。
javascriptをサーバーサイドで利用する場合、クライアントサイド処理で利用されているコードを再利用できることも一つのメリットです。さらには、クライアントサイドでjavascriptを習得している開発者が増えており、サーバーサイド向けの言語を習得していないエンジニアがサーバーサイドの開発を行う際にも好都合です。
React Native、Vue Nativeなどのフレームワーク・開発環境を利用することで、javascriptでスマホアプリを作成することも可能です。Android、iOS両方で使えるマルチプラットフォームアプリが開発できることも強みとなります。
これからプログラミングを学習する初心者にとって、javascriptを習得するメリットを紹介します。
最も大きなメリットとして挙げられるのは、javascriptがWebのクライアントサイド言語として圧倒的なシェアを持っていることです。利用者が多いことはFWやライブラリの充実、情報の入手しやすさといったメリットにもつながっています。
javascriptがプログラミング言語として人気を保っていることも、学習に向けてのメリットとなります。世界最大の開発者コミュニティStackOverFlowによる2022年の調査において、javascriptはプログラミング言語人気ランキング（※）で1位に選ばれました。今後も高い需要が見込め、長く活用できるスキルとなります。
※過去1年間に最も利用した言語、今後1年間に利用したい言語
javascriptの拡張版であるTypeScriptの人気も上昇中です。TypeScriptはマイクロソフト社が開発したフリーでオープンソースのプログラミング言語で、javascriptをベースに作成されています。javascriptと共通する部分が多く、今後javascriptエンジニアの活躍の場を拡げる言語として期待されています。
javascriptは初心者が学習を始める際にも、環境の準備というハードルが低くて済むプログラミング言語です。PCとインターネット接続、メモ帳などのテキストエディタとブラウザを用意すれば学習が始められます。
また、インターネット上にjavascriptに関する情報が多く存在するため、調べながら学習しやすいところも、初心者が学習しやすいポイントとなっています。注意点として、javascriptは普及してから長い年月が過ぎており、インターネットとともに発展してきた歴史があります。このため、インターネット上の情報では新旧の各バージョンのjavascriptに関する情報が混在している状況です。古い記述でも互換性があるため動作はしますが、最新の記法、技術を学ぶのがおすすめです。
学習にあたっては、スクールを利用する方法や独学などがあります。
独学でjavascriptを習得する場合は、インプットとアウトプットのバランスをとることが重要です。
インプットとしては、下記を活用するとよいでしょう。
また、プログラミング独習における最大のポイントは、インプットした内容をアウトプットして確認することです。つまり、自分のPC上でjavascriptのプログラムを作り、動かしながら理解を深めることが必要となります。javascriptのプログラムは目で見てわかりやすい動作結果につながることが多く、この点でも初心者が継続的に学習しやすいといえるでしょう。
javascriptはWebを支える重要な技術であり、今後も需要が高いと予測されるプログラミング言語です。多くのFWやライブラリが開発されており、これを応用することで幅広い表現や高い生産性を実現することが可能です。さらには、サーバーサイドやスマホアプリなどでの利用も進むなど成長著しく将来性の高い言語といえます。
初心者が習得するプログラミング言語としてもjavascriptはおすすめできます。環境の準備が簡単で、インターネット上から知識も得やすいため独習も可能です。
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