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AI画像生成は、実務に使えるのか?④「Photoshop検証」続編! プロンプトで被写体生成【2023年7月検証】

PhotoshopのAIは、どこまで実務レベルなのか決着をつける?!

エンジョイお仕事!デザイナーJです。

さてAI画像生成の検証記事もシリーズ4回目となりました。たどり着いたのが、昨今、専門職以外にも広まりつつあるPhotoshop(Beta)のAI画像生成の塗りつぶし機能。そんなある意味一般化しつつある注目のテクノロジーを検証対象として取り上げたからには、記事の価値としても中途半端には終わらることはできない!ということで、私のいただいた担当分も残りわずかながら、少しでも有意義で読みやすい記事を共有すべく検証を急ぎたいと思います。

前回記事までは、「生成塗りつぶし」の様々な使用例を検証し、もうすでに実務レベルで活用できる使い道も充分にあり、画期的な進化も確認できました。

そしてこのシリーズ記事もいよいよ佳境でございます。前回までの検証で浮き彫りとなったフォトショAIの弱点である「人物の詳細描写の生成、特に手の指や顔のアップ」。

では、他の「新たな被写体の生成」についてはどうなのか?例えば人以外は?他に何か役立つ実用例ははないのか?そんな疑問に終止符を打つべく、今回ここで決着をつけようじゃありませんか!これはアツい!

プロンプトで、新たな被写体に変えれるのか検証

そんなこんなで、ここからはいたって真面目に、「PhotoshopのAI」について、残った気になる画像生成の検証をとことん進めてまいります。
わかりやすい検証ということで「大きめの被写体」を「他の被写体」に差し替えるということにトライしてみます。
まずは、この写真の犬を「なげなわツール」等でざっくりと選択します。

続いて、画像下にわかりやすく表示されたコンテキストメニューに、プロンプト(通常言語によるコマンド)を入力します。この元画像の可愛いワンちゃんに対して、イカつい虎なんかを描写してみるとわかりやすいでしょうか。このPhotoshop AIの場合は、現在は英語のみ対応で、かつ単語(他のAIプロンプトと違い、文章にしない)で良いらしいので簡単ですね。

あれ?「ユーザガイドラインに違反」???

・・・よく見ると私、「tiger」ではなく「tigger」と間違えて入力してしまってますね。これ「タイガー」ではなく「ティガー」・・ディズニーのプーさんに出てくるアレ・・。
なるほど、著作権違反ということか!そんなことまでジャッジしてるんですね。いや〜優秀ですね!
今度は、間違えなく「tiger」と入力して、ポチッと生成します。

おぉ〜。ようやく見粉うことなきトラ!

この画像くらいの大きさならイイ感じかな?角度や奥行きといったパースはもちろん、環境光含めたライティングなども写真全体から判断してくれてますね。その辺りはなかなか凄いです。

ただ拡大してみると、やはりちょっとイラストチックです。他の被写体はどうだろう?例えば、同じ犬で、色や犬種を変えてみるとか。さてプロンプト入力してと・・

可愛いけど、デカいな柴犬!(笑)黒い犬もなんか合成したイラストって感じで惜しい。
ここで敢えて人物はどうなのか?も再び確認したくなってきましたので、プロンプト「cute boy」で試させていただきます。

ああ、惜しい!やはり「手の指」や「顔」のディティール異常が現れてしまいます。
しかし、さらに懲りずに、「cute girl」と入力生成!

「おぉ?!いい感じ?」とか思いましたが、やはりディテール異常が出てます。よく見ると「ヤバイ感じ」ですね・・。
最初のトラが一番マシだったか・・思わず声が出ました。「悔しいっす。これでは終われん!」

プロンプトで、被写体の一部を変えれるのか検証

被写体のディテールがキビしいんだったら、被写体の一部はどうでしょうか?

わかりやすく「衣服の差し替え」をやってみましょう。Tシャツだけをざっくりと選択しまして「orange t shirt」と入力し生成。

ほぅほぅ、Tシャツのプリント文字が「ORANGE」・・って綴りもなんか違います!(泣)

でも、生成結果として自動で描いてくれた「3つの候補」のうちの一つは、かなり想定したものに近くてイイ感じです。これはイケるかも?!

「被写体の部分変換」についての習作をさらに行なってみます。

お〜〜!これは使えます!!!ようやく来ました!

「AI生成塗りぶし」による「被写体の部分変換」は、ケースバイケースで思ったような結果では無い失敗パターンも出現するものの、かなりイイ線いってるんじゃないでしょうか? 場合によるとは思いますが、成功率的にも「実務レベルで使用可能」に近いのではないでしょうか?

ただし、前回検証の「背景の塗りたし」や「不要な対象の削除」は、「今日からデザイン実務で使えるレベル」というご報告ができましたが、今回の「被写体の部分変換」は、現状では「必要な画像結果を得れるかはモノによるので、一度試してみる」といった使い方が正しいかもしれません。

よ〜し!次回はこの検証結果を活かして、Photoshopのみならず、Midjourneyと良いとこ取りで組み合わせて、「こんなん好っきゃろ?」的な超美麗AI生成フォトに挑戦いたしますよ〜レッツGO!!!

(2023年7月)

(パート5へ続く)

この記事の著者

すえつぐ じつお

UI/UXデザイナー

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